がん治療をお考えのかたへ
悪性リンパ腫には様々な種類があります。無治療でも何年も進行せずに経過する悪性度の低いものから、一刻も早く治療が必要になる悪性度の高いものまであります。組織型をきちんと確認することは的確な治療方針を決めるにあたって必要不可欠です。腫瘍を狙い撃ちする分子標的薬についても適切な診断のもとに適応を検討しています。再発した時点でも、悪性度の変化をきたしていることもあり、可能であれば再度組織型の確認を行います。
患者個々の年齢、全身状態、病型、病態に適した治療を目指しています。高齢者については標準的治療を基本としますが、加齢に伴って生じる心身機能の脆弱性を詳細に評価することで、個々に適した治療を行う取り組みを行っています。病気を良く理解したうえで治療に取り組んでいいただくために、治療方針は患者さんやご家族とよく相談したうえで決定しています。またQOL (生活の質)を重視して、外来通院での治療を基本としていますが、合併症や ADL (日常生活動作) の低下など、必要に応じて入院加療も行っています。
年間約200例の新患の方を診療しています。濾胞性リンパ腫では、低腫瘍量の患者さんについては無治療観察を行い、高腫瘍量の患者さんについてはCD20に対するモノクローナル抗体と抗がん剤を組み合わせた化学療法を行っています。びまん性大細胞B細胞性リンパ腫に対しては年齢や腫瘍量に応じて診断時よりすみやかに化学療法を行っております。
ホジキンリンパ腫の方は若年で発症することが多く、治療後の妊孕性や二次癌についても検討が必要なことがあります。B細胞性のリンパ腫では初期治療の効果は良好なことが多いですが、再発をきたした場合は大量化学療法及び自家移植や新規の治療法について検討します。T細胞性のリンパ腫では再発することが多いのですが、複数の新薬が開発されており、病型や臨床症状に応じて投与を検討します。
がんの部位別治療方法