診療科・部門について
2019年8月31日(土)より、検体(血液)検査のうち、国内標準化が達成された下記項目を対象に、日本全国の医療機関で共通して使用することが可能な「共用基準範囲」を採用いたします。
平成31年3月1日、広島県内の病院では3番目、日本赤十字社の施設では全国で9番目に ISO15189 認定取得を受けました。
ISO15189とは、臨床検査室の品質と能力に関する国際規格のことです。認定取得した当院検査部の検査値は、国際的に通用するより質の高い検査データであることが保証されました。
検査業務は大別して、患者さんから採取された血液・尿・便・喀痰等をそれぞれの目的に応じて検査・分析をおこなう検体検査部門と患者さんに直接接し、体から発生するわずかな信号を記録したり超音波により画像化し情報を得る生体検査部門で構成されています。各部門の技師は常に専門知識の習得に努め、信頼度の高い情報を正確・迅速に医師に提供出来るよう努力しています。
私たちは病院理念及び基本方針を遵守するとともに、患者さん・病院・社会のためにつくします。
私たちは親切で思いやりのある対応と、正確で迅速な検査成績の報告に努力します。
私たちは日常業務に対する改善や、将来に向けての提言がおこなえる企画力・実行力の養成に励みます。
私たちは患者さんから採取された検体の検査成績を正確でより迅速に報告するため、システムの構築を含めて様々な業務の改善をおこなっています。
8時の採血業務開始に合わせ、各部門の分析装置を立ち上げ、採血後直ちに測定できる状態にしています。
平成28年度は、外来採血の中央化をはかり、診察予約時間を優先した採血支援システムを導入し、10台の採血台を使用することで採血待ち時間の短縮を実現しました。
遺伝子検査室は、主に悪性腫瘍遺伝子検査を翌日報告することで早期診断に貢献しています。
生理学的検査室は、術中モニタリングを始め、術中静脈瘤レーザー治療の超音波によるサポート、心臓リハビリの負荷量を決めるためのCPX測定などチーム医療へ積極的に参画し活動分野の拡大を図っています。
一般微生物検査室は、質量分析を用いた方法により菌名の迅速報告ができる体制を構築し新たな展開を目指しています。
当院の中央採血室の採血順番は、来院した順番ではなく、表に示すように外来の診療内容に合わせた採血順番となっています。自動採血・採尿受付機に診察券を挿入すると電子カルテで確認後、予約時間に合わせた区分を自動で印字します。診察予約時間やCT・エコー検査の予約時間の1時間程度前に来院されることをお勧めします。A区分の患者さんより採血を行います。
採血区分 | 時間帯 | 内容 |
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E | 随時 | 緊急性を要する場合 |
A | 8時30分~9時00分 | 診察予約時間・CTやエコー検査の予約時間 |
B | 9時00分~10時00分 | |
C | 10時00分~11時00分 | |
D | 11時00分~ |
生化学・免疫血清検査は、主に血液(血清)や尿の中に含まれている様々な成分を分析しています。
分析の工程を正確かつ効率よくするために、分析装置と分注搬送システムを連携させて迅速に検査結果を報告しています。
精密な検査結果を報告するために精度管理を怠らず、日本医師会など外部サーベイランスに参加することで正確さの維持、確認をしています。
第三者評価として精度保証認証施設を取得しており、今後も迅速でより正確な検査結果を報告し、患者様のお役に立てるよう日々努力を重ねていきます。
当検査室では2014年7月より専門の部屋を設け造血器腫瘍関連の遺伝子検査を開始しました。まだ部屋としての歴史は浅いですが、急速に進歩し続けているこの分野の更なる充実を図っていきたいと考えています。
生理機能検査は、患者様から直接得られる情報を数値、波形、画像として表示し、治療に必要なデータを臨床サイドに提供することを目的に業務をおこなっています。
心肺機能検査は、心電図検査、負荷心電図、CAVI/ABI、ホルター心電図、トレッドミル検査、肺機能検査、体成分分析、尿素呼気試験をおこなっています。
心臓から発せられる電気的変化を波形として記録する検査です。
心筋梗塞や不整脈などの診断に有用となります。
両腕・両足の血圧・脈波を測定します。動脈硬化の程度、血管年齢などがわかります。
小型の心電計を身に着けて24時間心電図を記録します。
当日は入浴・シャワーに入れないため注意が必要です。
負荷心電図の一つです。ベルトコンベアの上を歩きながら、心電図・血圧を測定します。
肺活量などの肺の換気機能を調べる検査です。喘息の薬の効果判定にも実施されます。
身長・体重・筋肉量・体脂肪などを調べる検査です。
胃の中のヘリコバクター・ピロリ菌感染を調べる検査です。
当日は検査終了まで飲食できないため注意が必要です。
超音波装置を用いて、プローブから高い周波数の音波をからだに当てて検査します。からだに検査用ゼリーを塗る必要がある検査で、痛みや被ばくがない安心な検査です。当院では、心臓・腹部・乳腺・甲状腺・下肢血管・頸動脈など多くの領域の超音波検査を実施しています。
脳波・筋電図検査は、脳波検査、聴性脳幹反応検査(ABR)、神経伝導速度検査を行っています。また、病棟や手術室に出向いて、脳波や睡眠時無呼吸検査、術中神経モニタリング検査もおこなっています。
脳部に電極をつけ、脳から生じるわずかな電気信号を記録する検査です。意識障害やてんかん、脳腫瘍、認知症などの疑いがある場合に実施します。場合によっては1時間半程度時間がかかりますのでご協力をお願いします。
ヘッドホンから発する音に対する脳の反応を調べる検査です。乳幼児や高齢者など音が聞こえたかどうか返事ができない患者様でも検査可能です。
皮膚の上から電気刺激を与え、腕や顔面の神経を伝わる電気的活動の速度を調べる検査です。電気刺激の際にはやや痛みを伴います。
一晩の睡眠の状態(呼吸の乱れ、いびき、無呼吸、不整脈)を調べる検査です。 この検査で睡眠の深さや質、睡眠中の呼吸状態が分かります。一晩中、様々な電極やセンサーを体につけて寝てもらう事になります。
脊椎脊髄の手術や脳腫瘍摘出などの手術の際、術後の麻痺を防ぐため、脳波や節電図をモニターしています。
一般検査は尿、糞便、髄液、胸水、腹水、関節液、精液など様々な検体を材料として検査しています。
尿は非侵襲的に採取できる材料であり、腎・尿路系の状態を直接的に、全身状態を間接的に評価しています。尿試験紙検査は尿蛋白・尿糖・尿潜血などの情報がわかります。尿沈渣は癌細胞や腎疾患などに出てくる円柱成分などを顕微鏡によって観察しています。
糞便検査は、大腸癌スクリーニング検査として便潜血反応を測定しています。また、寄生虫(寄生虫卵)の検査も行っています。
髄液検査は、中枢神経系感染症やくも膜下出血などの時に細胞の増加があるかどうかを測定します。
胸水や腹水が貯留することは異常であり、その貯留の原因検索として細胞や蛋白などの測定をします。
関節液は痛風や偽痛風、化膿性関節炎の鑑別を行うために結晶成分の確認や細胞数の測定をしています。
微生物検査室では、患者さんより得られた検体から感染を起こしている菌を発見するために、検体の種類によって菌が発生しやすい培地を選んで培養したり、染色を行って顕微鏡でどのような菌がいるか確認する等の検査を行い起炎菌の同定を行っています。2013年より質量分析同定装置MALDIバイオタイパーを活用し、迅速な菌名報告を心がけています。また、同定を行った菌にどのような抗菌薬が効くのかも検査しています。微生物検査室で検出された主要細菌の検出状況は院内感染対策委員会(ICT)に定期的に情報を提供し、院内の感染対策にも積極的に参加しています。
職名 | 氏名 | 卒業年次 | 資格 (専門医・認定医・指導医等) | 専門分野 |
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検査部長(兼)輸血部長 | むた つよし牟田 毅 | 平成 5年卒 | 日本内科学会認定総合内科専門医 日本血液学会認定血液専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 日本輸血細胞治療学会認定医 日本造血・免疫細胞療法学会造血細胞移植認定医 臨床研修指導医 医学博士 | 悪性リンパ腫 血液一般 |
副部長 | かつたに しんや勝谷 慎也 | 平成 4年卒 | 医学博士 | ITP 出血凝固 |
臨床検査管理医 | やまもと まさひろ山本 昌弘 | 昭和 51年卒 | 日本内科学会認定内科医 日本消化器病学会専門医 日本医師会認定産業医 医学博士 | ― |
技師長 | 米田 登志男 | ― | ― | ― |
副技師長 (兼)生理学検査課長 | 浅野 清司 | ― | ― | ― |
一般微生物検査課長 (兼)血液検査課長 | 塔村 亜貴 | ― | ― | ― |
生化学・免疫血清検査課長 | 山下 美香 | ― | ― | ― |