診療科・部門について
当院は地域災害拠点病院です。平時から災害に備え研修や訓練を行い、日本赤十字社法に基づき、医師・看護師・薬剤師・主事のメンバーで構成される救護班を6個班編成しています。
過去には、阪神淡路大震災、東日本大震災、西日本豪雨災害、熊本地震に救護班を派遣し活動しました。直近では、2024年1月1日16時10分におきた能登半島地震に出動しました。救護班は1月と2月に、石川県七尾市を中心に避難所を巡回し、寒い時期で、しかも上下水道が使えなかったので、感染対策をしながら、避難所の状況の把握・アセスメントをし、必要な支援について考え、対応していきました。全国の赤十字から出動した救護班と、多団体とも連携しながら、被災者の方々の支援を続けました。
また、看護師は、1月に石川県穴水町の病院支援にも入りました。病院職員の中には帰る家をなくされ、子供たちと一緒に病院で生活されている方もおられました。応援看護師のおかげで、「やっと休みがとれる」との一言が印象的でした。
もちろん入院患者さんもおられます。自衛隊の給水車から水をもらい、限られた資源で工夫し、髪を洗ったり手浴をして患者さんからは「気持ちいい」と喜んでもらえました。
赤十字の災害支援の活動に『こころのケア』があります。現地の市役所や病院等で働く方たちは支援者でありながら被災者です。今回、広島のこころのケア班はその支援者の方たちを対象とした活動を行いました。皆さんが働く場所に、リラクゼーションルームを作って、背中や手のマッサージ、足湯をしたり、少しでもホッとしていただける環境を整えました。そこでお話を聞き、ひとときではありましたが、リラックスしていただきました。自らも被災されながら支援にあたることがどんなにストレスフルな状況であるかがわかり、支援者支援の重要性を改めて認識しました。
当院にはDMAT(災害派遣医療チーム)も2チームあります。R6年能登半島地震には派遣はありませんでしたが、過去には、西日本豪雨災害等で被災現場で傷病者の救護にあたりました。
また、当院では、感染管理認定看護師も必要時、被災地へ出向き、避難所の感染対応をアセスメント、被災者の健康面のサポートをおこなっています。
派遣されるまでには、様々な研修を受けて『国際救援・開発協力要員』になります。
これまでに当院の看護師も国外に派遣されています。
2022年には看護師が1名、レバノンのパレスチナ難民キャンプ内の病院に派遣されました。言語も文化も違う様々な国の赤十字スタッフと協働しながら病院支援を行い、医療の質向上のために貢献しました。