診療科・部門について
頻度の高い糖尿病(2型、1型、二次性など)、甲状腺疾患 (甲状腺機能亢進症や低下症)、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)、高血圧症などが当科の主な対象疾患です。その他に、副甲状腺疾患、下垂体疾患(末端肥大症、クッシング病、尿崩症など)、副腎疾患(副腎偶発腫瘍、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎皮質機能低下症など)、性腺機能異常など内分泌疾患全般を対象にしています。遺伝性疾患など頻度の少ない内分泌疾患や、電解質異常などにも対応しています。
日本糖尿病学会と日本内分泌学会の認定教育施設となっており、専門的な診断と治療を行っています。
糖尿病に関しては、糖尿病に特有な細小血管障害(網膜症・腎症・神経障害)の検査と診断および、併存症として重要な大血管障害(動脈硬化に伴う心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症)の早期発見に役立つCAVI(下肢動脈の硬さをみる検査)、ABI(下肢動脈の閉塞の有無をみる検査)、IMT(頸動脈の厚さをみる検査)などの検査体制をととのえています。また、高齢化に伴って増加した併存症である骨粗鬆症、認知症、癌などについても他科との連携により適切に対応します。24時間血糖モニターなどの検査も必要に応じて実施しています。
治療は食事療法、運動療法、薬物療法が3本柱となりますが、常に最新のエビデンスに基づき、医師・糖尿病療養指導士・看護師・栄養士・薬剤師・理学療法士・臨床検査技師・歯科衛生士などのスタッフによる患者中心のチーム医療を行っています。当院スタッフで作成した「糖尿病治療の手引き」は毎年改定を行っており、最新の医学情報を患者さんに分かりやすく伝えるようにしています。
また、地域の医療機関からの要請に応え、糖尿病の急性期病態(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態、低血糖など)での救急対応にも力を入れており、2018年からは広島県内で新入院患者数1位が続いています。
他の疾患で当院にかかった患者さんの血糖管理依頼も多く、手術やステロイドを使用するがん化学療法が必要な糖尿病では、ほとんどの方が当科で血糖管理を行っています。
甲状腺疾患の診断と治療にも力を入れており、バセドウ病への外来でのアイソトープ治療も行っています。甲状腺エコーによる甲状腺腫瘍の早期発見に努めており、手術が必要な場合には当院耳鼻科と連携しています。
内分泌疾患も専門的な診断と治療を行っています。副腎偶発腫瘍においては、外来のみで内分泌負荷試験などを完結できるケースも増えていますが、必要な場合には適切に入院精査を行い、手術が必要な際には泌尿器科と連携しています。
近年では、がんに対して免疫チェックポイント阻害薬を使用したときに、免疫関連副作用として甲状腺や副腎皮質機能低下症をきたす方も多く、多くの科と連携して治療に当たっています。
患者さんひとりひとりの個性と人生を大切にした治療に努めています。専門的な知識と確かな技量を用いて、患者中心医療の実現のために尽力していきたいと思います。
また、地域の先生方との繋がりを大切にし、病診連携を推進していきます。
職名 | 氏名 | 卒業年次 | 資格 (専門医・認定医・指導医等) | 専門分野 |
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部長 | かめい のぞむ亀井 望 | 平成 8年卒 | 日本内科学会認定 総合内科専門医・指導医 日本糖尿病学会専門医・研修指導医 日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医・指導医 日本専門医機構認定 内分泌・糖尿病内科領域研修指導医(領域指導医) 臨床研修指導医 医学博士 | 糖尿病 甲状腺 その他内分泌疾患 |
医師 | はまおか あや濵岡 彩 | 平成 25年卒 | 日本内科学会認定内科医 日本糖尿病学会専門医 | 糖尿病 甲状腺 その他内分泌疾患 |
医師 | こだま りゅういち児玉 竜一 | 平成 29年卒 | 日本内科学会認定 内科専門医 | 糖尿病 甲状腺 その他内分泌疾患 |
医師 | やまもと かずき山本 一希 | 令和 2年卒 | – | 糖尿病 甲状腺 その他内分泌疾患 |
医師 | おきもと ゆきの沖本 ゆき乃 | 令和 3年卒 | – | 糖尿病 甲状腺 その他内分泌疾患 |