診療科・部門について
緩和ケアの対象は、『症状』であり、『疾病』ではありません。従来は、がんの終末期に伴う種々の症状を対象としてきましたが、最近少しずつ変化してきています。
まずは、対象となる時期です。『治療ができなくなった終末期』だけではなく、『がんと診断された時から』緩和ケアを受けましょう、と推奨されています。がんの治療を受けながら、緩和ケアも同時に受ける、ということです。
また、がん以外の疾病による苦痛に対しても適応が広がりつつあります。2018年4月からは心不全に対して緩和ケアが保険適応となりました。今後はさらに、呼吸不全、腎不全、神経難病などにも適応が拡大されていくと考えられます。
病気の診断やそれに対する根本的な治療を行うのではなく、症状に焦点を当てて対応するのが特徴です。痛み、全身倦怠感、呼吸困難、食欲不振、嘔気嘔吐などといった身体症状はすべて当科の守備範囲となります。特に痛みについては、人間の尊厳が損なわれ、人格の破壊にもつながりかねませんので、早急な対応を心がけています。薬剤だけでなく、神経ブロックも積極的に取り入れています。
また、精神的な落ち込みや不眠などの苦痛については、精神科等とも連携します。個々の患者さんに合わせた方法を考えていくことが緩和ケアの最大の特徴です。
上述のように、当科は自らが主体となって診断を進めるのではなく、各診療科の適切な診断・病態把握のもとに併診する形で診療を行います。
現在は当院に入院中の患者さんを対象として、主治医からの依頼を受けてから緩和ケアの診療が開始となります。緩和ケア科への受診を希望される方は、まずは治療を受けている主治医にご相談ください。
職名 | 氏名 | 卒業年次 | 資格 (専門医・認定医・指導医等) | 専門分野 |
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院長補佐(兼)部長 | ふじもと まゆみ藤本 真弓 | 昭和 62年卒 | 日本緩和医療学会認定医 日本専門医機構認定 麻酔科専門医 日本ペインクリニック学会専門医 麻酔科標榜医 臨床研修指導医 医学博士 | 緩和ケア 麻酔 ペインクリニック |
医師 | きっかわ とおる吉川 徹 | 平成 19年卒 | 日本産科婦人科学会専門医 母体保護法指定医 | 緩和ケア 産婦人科 |
医師(兼呼吸器内科医師) | わかばやし ゆう若林 優 | 平成 22年卒 | 日本内科学会認定 総合内科専門医 日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医 医学博士 | 緩和ケア 呼吸器内科 |