消化管外科のご紹介
消化管外科における特色・専門医療
対象となる疾病
食道がん、食道狭窄・穿孔、アカラシア、食道静脈瘤、胃がん、胃粘膜下腫瘍、穿孔性胃・十二指腸潰瘍、大腸がん、急性虫垂炎、腸閉塞、急性腹症(腹膜炎)、腹部外傷、痔核・痔瘻など
特色・専門医療
胃腸の手術は年間約250例に施行し、うち70%が悪性腫瘍です。とくにこの領域では近年化学療法の発展がめざましく、当科では分子標的薬を用いた多剤併用化学療法にもいち早く取り組んできました。
- 食道がん:2012年4月に公表された食道がん治療ガイドライン(日本食道疾患研究会)に則して消化器内科や食道・胃腸内科、放射線診断科・放射線治療科と連携をはかり、患者さんの病状に適した種類(内視鏡的粘膜切除術、外科的切除・再建術、放射線治療)を選択しています。なお、外科切除は、頚部、胸部、腹部にまたがるため手術侵襲が過大になりますので、より低侵襲で機能温存を配慮した手術をおこなっています。また、早期がんには内視鏡下手術も積極的に導入しています。
- 胃がん:2010年10月に公表された胃がん治療ガイドライン(日本胃癌学会)に則して消化器内科、食道・胃腸内科と密接な連携をはかり、患者さんの病状に適した治療法の種類(内視鏡的粘膜切除術、縮小手術、定型手術、拡大手術)を選択しています。また、腹腔鏡補助下幽門側胃切除も積極的におこなっています。進行胃がんに対しても、がん治療認定医により制がん剤による良好な治療成績をあげています。
- 大腸がん:2010年7月に公表された大腸がん治療ガイドライン(大腸癌研究会)に則して消化器内科と連携をはかり、患者さんの病状に適した治療法の種類(内視鏡的切除、外科的切除、制がん剤療法)を選択しています。なお、肝転移や肺転移が合併していても、肝臓と呼吸器のそれぞれ専門外科医により積極的に転移巣の切除をおこなっています。また、腹腔鏡下結腸切除、腹腔鏡下低位前方切除も積極的におこなっています。進行がんに対しては排便機能や性機能の温存を考慮した手術をおこなっていますが、やむなく人工肛門を造設した患者さんには、毎週月曜日の午後に、看護師によるアフターケアや生活指導をおこなっています。