患者さんの口腔ケアは、さまざまな器具を用いて行います。病棟においての口腔ケアの治療風景●口腔ケアチーム写真(写真左から)管理栄養士/藤田 喜子歯科衛生士/郷原 理絵歯科医師/櫻井 繁摂食・嚥下障害看護認定看護師/井上 大輔03口の中で細菌が増殖すると、虫歯や歯周病などの口腔トラブルのほか、糖尿病や心臓病あるいは誤嚥性肺炎などの病気にかかるリスクを高めます。口の中に残った食べかすは、細菌の増殖しやすい環境となります。歯垢の中で増殖した細菌は、歯の表面にこびりついてしまいます。口の中の細菌を減らす方法は、歯磨きなどで機械的に除去するしかありません。唾液はいつも口の中を潤して口の動きを滑らかにし、食事をするとさらに出ます。唾液の働きとして、食べかすなどの汚れを洗い流し、細菌の増殖を抑える作用があります。しかし、病気や服用薬、不衛生な口の中の環境によって唾液の量が減ることがあり、様々なトラブルを生じます。認知症や脳血管障害などによる嚥下機能の低下は、誤嚥をきたし、病気による絶飲食や寝たきりなどをきっかけに低栄養になると、さらに肺炎のリスクが高まります。誤嚥性肺炎の予防には、口の中をきれいに保つことが有用であることは、よく知られています。口腔トラブルの改善や誤嚥性肺炎などの病気予防のため、歯磨きなどで口の中をきれいにします。患者さんにあった方法で口の中をきれいに保ち、食べたり話したりする楽しみを取り戻せるようにサポートします。口腔ケアチームは、病棟看護師や栄養サ量が減ることで口の中が乾燥し、時間が経過した汚れが固まりとなって歯や歯茎、舌や上ポートチームから介入依頼があった患者さあごに硬くこびりついた状態の口腔ケアにんの病室を訪問します。依頼の多くは、セルフケアが難しく、口の機能の低下や唾液のついての相談です。歯科医師や歯科衛生士は、口の中の状況を診察したあと、歯磨きなどで口の中の汚れを除去しきれいにします。看護師は、患者さんの体調管理と咽頭の吸引により誤嚥を防ぎます。また、患者さんにあった口腔ケアの方法をチームから病棟の看護師に提案し指導します。抜けそうな歯や口内炎など歯科治療が必要であれば、主治医に報告し歯科受診につなげることもあります。口腔ケアチームは、口の中をきれいに保ち、口の中の細菌による口腔トラブルの改善や病気の予防、さらには食べたり話したりする楽しみを取り戻せるようにサポートします。チーム医療の紹介今月のトピックス口腔ケアチーム
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