日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2023.04.19

医療の知恵

知っていますか? すい臓がんのこと

“すい臓がん”について、皆さんは考えたことがありますか?

 現在、2人に1人ががんになり、4人に1人ががんで亡くなるといわれています。
 すい臓がんは、日本全国で1年間に約44,000人が診断され、がんの中で8番目の数です。また、すい臓がんは、日本全国で1年間に約38,000人が亡くなり、がんの中で4番目の数です。すい臓がんの患者は、50歳頃から増加しはじめ、多くは65歳以上で診断されます。血縁のある家族にすい臓がんになった人がいること、糖尿病や慢性膵炎、膵嚢胞、喫煙などがすい臓がんを発生するリスクを高めることが分かっています。
 診察室で、「知人がすい臓がんで亡くなったんです」「すい臓がんって治らないんでしょ」「すい臓がんって症状がないんでしょ」といったことをよく質問されます。残念ながら、すい臓がんは死亡率の高い病気であり、5年生存率は約10%です。多くは進行した状態で発見され、どのがんにもいえることですが、がんは進行するまで症状は現れません。その結果、治療を行っても長期の生存が難しいのです。
 しかし、早期発見により生存率は高くなります。現在、広島県ではすい臓がんの早期発見を目指したHi-PEACE(ハイ・ピース)プロジェクトが進行中です。

 血縁のある家族にすい臓がんになった人がいる、糖尿病や慢性膵炎、膵嚢胞、喫煙など、すい臓がんのリスクに自分や家族が当てはまる場合には、かかりつけの先生に相談してみてはいかがでしょうか。

 下記より広島県のすい臓がん「Hi-PEACE(ハイ・ピース)プロジェクト」のページにリンクしていますので、ぜひご覧ください。

第一消化器内科 副部長 南 智之

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