2022.02.24
医療の知恵
~医療の知恵~大腸内視鏡健診を受けましょう
みなさん、人間ドックは受診されていますか?コロナ禍における健診控えが懸念されていますが、受診を検討されている方も多いのではないでしょうか。
当院ドックでは年間600件の大腸内視鏡検診を行っております。当院ドックで発見された大腸癌(1990~2020年で539例)についてお示しします。
下図が発見経緯のグラフです。便潜血陽性の精査で発見されたものが68%(365例)を占め、残りの32%(174例)が内視鏡検診からの発見でした。内視鏡検診からの発見例のうち約半数が便潜血陽性であり、発見癌の84%(453例)は便潜血陽性となっていました。まずは定期的に便潜血検査を行うことが大切です。
一方で、便潜血陰性であっても大腸癌を認めることがあります(発見癌の16%、86例)。便潜血陰性となる大腸癌は、大腸のどの部位にも起こりうることですが、特に深部の病変は軟らかい便が通過するため血液が付着しにくいことが知られています。また、意外に直腸も血液が便の片側にしか付着しないことから、偽陰性をきたしやすいとされています。こうした病変は内視鏡検診を行うことで発見できます。
年1回の便潜血検査に加え、ときどき大腸内視鏡検診を組み合わせるとより安心ですね。
なかなか予約が取れないとのお声もいただいておりましたが、3月から4月にかけて少し予約がとりやすくなっております。
感染防止対策に努めつつ行っておりますので、ぜひ当院ドックにお越しください。
第一健診部 副部長 坂野 文香