2019.02.27
医療の知恵
最新の低侵襲(からだへの負担が少ない)手術とは?
【単孔式腹腔鏡下手術】
おへそのくぼみの内側に隠れる1箇所のみを切開し、従来法とまったく同様の手術を行う最新の低侵襲手術で、当院でも導入しています。
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日本では2009年から全国で研究会が設立され、10年間で技術面、安全面の両面で大きく進歩しました。傷がおへそに隠れて見えなくなるので ‘Visible Scarless Surgery:見える傷がつかない手術’とも呼ばれています。患者さんの満足度が高く、通常の腹腔鏡下手術と比べても疼痛の緩和、感染の減少、在院日数短縮などの利点があるとされています。
当初は胆石症、鼠径ヘルニア、虫垂炎、などの良性疾患に適応していましたが、リンパ節郭清を伴う大腸癌、胃粘膜下腫瘍、血液疾患に対する脾摘術、緩和医療目的のバイパス手術などにも適応を拡大し、これまでに約400人の患者さんが手術を受けていらっしゃいます。
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10年間で技術も手術器具も進歩しましたが、一方で、この手術に適さない疾患(進行直腸癌、肥満症例など)も明らかにされ、より安全性は高まったと言えます。
【機能温存手術】
消化器癌の手術ではハイビジョン腹腔鏡下手術の利点を活かした自律神経温存手術を手がけております。
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内視鏡外科室長 小西晃造