2024.11.27
医療の知恵
食物アレルギー児の食物経口負荷試験
食物経口負荷試験は、食物アレルギーを診断するために重要な検査方法の一つです。その他、安全摂取可能量の決定、治ったことを意味する耐性獲得(食べられる)を確認することでも行われます。この試験は、特定の食物を少しずつ摂取し、その反応を観察することでアレルギーの有無を確認するものです。症状を誘発する可能性があり、顔の発疹のみと軽い症状から、多臓器に症状を及ぼすアナフィラキシーなど重い症状まであります。そのため症状に合わせた対応ができる施設で行う必要があります。
食物アレルギーの好発年齢である0~2歳は、子どもにとって成長期のため、アレルギー食物を避けながら、成長に必要な栄養を摂取することが求められます。最近はアレルギー物質の除去は最小限で、食べられる範囲で摂取する方が早く治ると言われております。
当院では医師、看護師、栄養士と連携し、体制を整えて入院(日帰りまたは1泊)で食物経口負荷試験を、また管理栄養士による栄養指導を行っています。栄養指導では、アレルゲン除去とその栄養素の代替食の指導、食べられる範囲の具体的な指導、子どもたちの食生活をサポートしています。特に離乳食時期は、食物アレルギーのことのみならず食生活の評価、栄養バランスのよい食事指導も行っております(図参照)。食物アレルギーを持っているお子さんでも楽しく食生活ができ、食物アレルギーが治るようにサポートしますので、遠慮なくご相談ください。
小児科 アレルギー疾患対策室長 村上洋子
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