2023.11.01
医療の知恵
「産婦人科診療の4つの柱」
産婦人科と聞くと“お産”というイメージが浮かぶ方も多いかと思いますが、これまでは次の3つが産婦人科診療の柱と言われていました。
1⃣周産期医療
妊娠の診断、妊婦健診、分娩、産褥期の診察などです。また、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠といわれていました)などの診断や治療にもあたります。
2⃣生殖内分泌
いわゆる不妊治療と言われたりします。体外受精を思い浮かべるかもしれませんが、それ以外にもホルモン検査、子宮卵管造影、基礎体温チェック、排卵のタイミング、人工授精など色々な検査や治療が含まれます。最近では保険適応になったり、着床前診断の適応が広がったりしてきています。
3⃣婦人科腫瘍
子宮や卵巣の腫瘍(良性疾患、悪性疾患)の治療や子宮がん検診なども行います。
ここに最近4つ目の柱として“女性医学”といわれる領域が加わりました。
4⃣女性医学
「産婦人科の専門領域のひとつで、QOLの維持・向上のために、女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする」と定義されています。以前は更年期に対する治療が代表的でしたが、最近は思春期、性成熟期、更年期、老年期の各々のライフステージにわたるホルモンの変化や健康問題に対する治療・取り組みが積極的に行われています。これまでの3つの柱とも密に関連しつつ女性のヘルスケアをサポートする領域です。
当院でも今回ご紹介したような産婦人科診療を通して多方面から女性のヘルスケアに取り組んでいますので是非ご相談ください。
産婦人科副部長 児玉 美穂