2023.05.18
医療の知恵
〜リスクが高い脂肪肝の新しい名称〈MAFLD〉〜
年に一度の健康診断で、腹囲は、男性は85cm、女性は90 cm超え、血液検査で中性脂肪が高く、血圧も高くて、「メタボ(メタボリック症候群) ですね」と言われるケースは少なくはありません。こういった場合、腹部超音波検査(腹部エコー検査)で脂肪肝を指摘されていることも多いです。
一般に、健康診断受診者の30%で脂肪肝がみられます。さらに肝機能障害がある場合は、肝硬変や肝臓がんへ進展することもあります。また、最近の研究では心筋梗塞などの「動脈硬化性疾患」や「がん」の死亡へつながる全身の病気の高リスクであることがわかってきました。
脂肪肝の原因は、お酒が多いですが(アルコール性脂肪肝)、飲まない方にもみられ (非アルコール性脂肪性肝疾患; NAFLD) その場合、多くはメタボが関連しています。 2020年International Consensus Panelは、①過体重・肥満、②2型糖尿病の合併、もしくは③やせ・正常体重で高血圧、内臓脂肪蓄積、脂質異常症、耐糖能異常などのうち2項目以上を持つ場合、のいずれかを合併する脂肪肝を「MAFLD(Metabolic dysfunction associated fatty liver disease )」と名付けました。
MAFLDは、様々な病気のリスクになるため通院してしっかり治療することが必要です。脂肪肝といわれた方は、MAFLDかどうかお医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。
総合内科部 高木慎太郎