2023.07.12
研修
「よりよいがん疼痛緩和を目指して」
令和5年6月15日、医療医療従事者を対象に、帝京大学医学部緩和医療学講座 教授有賀悦子先生に東京からWEBで講義を行っていただきました。聴講は当院講堂とwebのハイブリッドで行い、計222名の参加がありました。テーマは「よりよいがん疼痛緩和を目指して ~いのちの長さにも関わっている痛みの治療について、オピオイドの選択からケミカルコーピングまで~」でした。
ケミカルコーピングとは聞きなれない言葉ですが、ご存じでしょうか。
ケミカルコーピングとは、「患者さんが不安や不眠といった精神的な苦痛を解消するために医療用麻薬を使用すること、要するに鎮痛以外の目的で使用すること」を言い、乱用や依存の前段階と考えられています。ケミカルコーピングが続くと、依存に陥ったり、がん性疼痛がかえって悪化することにもつながります。
本来医療用麻薬はとても良いお薬です。医師の指示どおりに適切に使うことで、安全に痛みから解放され、お仕事や生活が普通にできるというお話でした。
また、「痛みを我慢すると免疫機能が低下し、命の長さにも影響する」といった新しい知見を教えていただき、痛みのコントロールはとても重要であるということもわかりました。
その他、オピオイド誘発性便秘のことなど、科学的根拠(エビデンス)に基づいた多くの学びがありました。
参加者からは「医療用麻薬の使用方法がわかった」「痛みのコントロールの重要性を改めて知った」などの感想があり、とてもわかりやすい講義で、参加された方々から満足されたご様子がうかがえました。
これからも患者さんが安寧に生活が送れるよう、私たち医療者自身も最新の知識をアップデートし、患者さんの支援に役立てていきたいと思います。