日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2024.10.07

その他

南棟8階血液内科病棟よりー対象者の理解に努めるー

血液内科病棟は、主に白血病の治療を行う患者さんが大半を占めています。複数の輸液ルートが繋がり行動の制限が長期に渡るため、治療環境に置かれた患者さんの理解に努めることが最も重要だと感じながら日々ケアを行っています。今回は、特に高齢者や認知症の患者さんの気持ちを理解するための取り組みとして、抑制帯を体験してみました。抑制には、体幹抑制・抑制帯・ミトン・ベッド4点柵などがあり、治療継続のために抑制を行う場面があります。実際に抑制の体験をして、以下のような感想がありました。

【恐怖・不安】
・動けない、不自由。 
・のぞきこまれ、看護師から見下ろされている感じがする。  
・ナースコールがミトン側にあり、押せない。思いが伝わらない(かゆい・トイレに行きたいなど)
・視界が限定される、狭くなる。圧迫感がある。
・抑制から逃れようと必死でパニックになる。
・家族が抑制されているのを考えるだけでも、嫌な気持ちになった 
        
【不快】
・ミトン内が蒸れて、不快。外したくなる。  
・抑制帯で手首が痛い。  

このように、実際に抑制を体験し、普段抱くことのない気持ちを知ることができました。
抑制を可能な限り行わない努力をしていくことはもちろんですが、抑制の状況が発生した場合には、今回の体験を活かしてケアに努めていきたいと思います。

☆体験したまとめ☆
日頃から看護師の対応や患者さんとの関わり方(物理的・精神的な距離の取り方など)が重要となる。
ユマニチュード(人間らしさと優しさに基づいたケア)の技術を活用していき、患者が安心感を得らえるように実践していく。
「切迫性、非代替性、一時性」をみたしていることを分析しながら抑制を実施し、短時間だけでも抑制しない時間を作りだす努力をしていく。
抑制されている患者を見た時の患者家族の気持ちを慮り、その気持ちの表出や軽減につながるような看護を提供していく。

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