2019.07.10
職員コラム
平和学習
今回の職員コラムは、社会課です。
社会課の業務の1つに「平和学習」があります。
昨年、当院で平和学習を受けた児童や生徒たちは、愛知・岐阜・山口・大阪・新潟県などから来広し、その数は12校285名となっています。その中には遠くブラジルから日本国内を数週間かけて旅行する中高生たちのグループも含まれています。
座学では、およそ20分間のあいだ、原爆投下前の広島の様子や被爆後の被害の規模、そして現在までの被爆者医療への取り組みなどについて、パンフレットを用いて説明しています。
また、被爆資料室において熱線で表面に水ぶくれができた「原爆瓦」や、膨大な数のガラスプレートを見せ、当時の医師たちが将来の医学に「原爆症」を解明してくれることを託したことなどを説明していきます。
メモリアルパークでは、「爆風でゆがんだ鉄製の窓枠」や「窓ガラスの破片が突き刺さった痕が残る壁」について説明し、「もしあの時、自分がこの壁の前に立っていたら、一体どうなっているか想像してください」と伝えています。そして、「ヒロシマの恩人」であるマルセル・ジュノー博士について伝え、原爆投下の朝勤労動員中に犠牲となり、当時の日赤病院本館前の円形花壇に並べられた中学生の遺体を描く陶板について説明します。
そして最後にこう述べます。「家に戻ったら、ヒロシマで見たり聞いたりしたことを是非家族の方や友人に伝えてください。そして平和について話す機会をもってください。」と。
戦後74年、被爆地に暮らす自分たちの世代は、核のない平和の実現に向けて何ができるのか考えながら、いつも生徒たちに向き合うようにしています。