日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2020.01.15

職員コラム

MRI装置の音について

今回の職員コラムは中央放射線科です。

皆さんはMRI検査を受けたことがありますか?

最近ではTVドラマにもMRI検査を受ける場面があったりするので、MRI検査のことは「こんな検査もあるんだ」くらいの認識はされていると思うのですが、非常に大きな音が検査中に出ることはご存知ですか?

TVドラマでは検査が始まる直前と検査が終わる直後の場面しか使われませんので、検査中に非常に大きな音が出ることはあまり放送されません。

初めてMRI検査を受けられる方は「こんなに大きな音がするとは思わなかった」と言われることが多いです。

なぜMRI装置は大きな音がするのでしょう?

MRI装置の原理は大きな電磁石です。磁場を発生させるために電流が流れると非常に大きな力(ローレンツ力)が装置全体に影響を及ぼします。結果、MRI装置の骨格・周辺機器がわずかに歪みます。電流が流れなくなると元に戻ります。これを高速で繰り返すことにより周辺の空気が振動し、「音」が発生します。

要するにMRI装置全体が大きなスピーカーの状態になってしまいます。決して必要として出している「音」ではなく、仕方なく出ている「音」なのです。

当院では、MRI検査を受ける場合は必ず「耳栓」か「騒音対策用ヘッドホン」を使用していただき、対策をとっています。

しかし、時には果敢に「音」に挑戦される方がいらっしゃいます。

放射線技師    「音が大きいので耳栓をつけて下さい。」

検査を受ける方 「耳栓はいらん。煩わしいわ。」

放射線技師    「耳栓をしないとうるさくて大変ですよ。」

検査を受ける方 「本人がいらん言うとるんじゃから、ええんじゃ。」

放射線技師    「そうですか。わかりました。我慢できなかったらブザーでお知らせ下さい。」

―検査終了後―

放射線技師    「大丈夫でしたか?」

検査を受ける方 「音がうるさくて死ぬかと思うた。」

放射線技師    「・・・(・・・ですよね。)」

無謀な挑戦はしないようにしましょう。

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