日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2025.02.26

職員コラム

少し稀な検査項目紹介

こんにちは。検査部の荒木です。
私は一般・微生物検査課に所属しており、尿・便検体の性状の検査や感染症に関連する検査を行っています。
検査部では、検査業務に携わる中で新たな知見が得られた場合などに積極的に学会発表を行っています。私も、2025年1月に東広島市で開催された第42回広島県医学検査総会で、「便中好酸球検査」に関する発表を行いました。
「便中好酸球検査」とは、文字通り、便の中に好酸球があるかどうかを調べる検査で、主に新生児や乳児が、ミルクや母乳に対して消化管アレルギーをもっているかを確認するために行います。検査方法は、便をスライドガラスに薄く塗り広げ、顕微鏡を使用して好酸球がいないかじっくりと観察して行います。好酸球は白血球の一種で、体を守る免疫機能を担う一方で、アレルギー疾患における炎症の一因にもなるため、好酸球を見逃さないよう注意深く標本を観察する必要があります。
同じように、検体中の好酸球の有無を調べる検査で、「鼻汁好酸球検査」という項目があります。この検査は、鼻汁(鼻水)中の好酸球の有無を調べ、アレルギー性鼻炎の診断を助けるもので、アレルギー疾患の一つである花粉症においても、鼻汁中に多数の好酸球を認めることがあります。
これから様々な種類の花粉が飛沫する季節が到来し、花粉症の症状に悩む方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(私もその一人です)。しっかりと対策をして、花粉に負けずに過ごしたいと思います。

検査部 荒木裕美

学会の様子
このページのトップへ