日本赤十字社 広島赤十字・原爆病院

病院公式ブログ

2024.08.20

職員コラム

故郷はなれて20年以上の私がわが子にしていること

この仕事について17年(途中、専業主婦、産育休も頂きましたので、実質勤務しているのは14年ほどです)の職員です。
出身は広島ではなく南の地方です。広島の地域・人柄に感動して、追い出されないことを良いことにすっかり住みついてしまいました。結婚とコロナ禍も相まって、もう7年も実家には帰っていません。

そんな私ですが、子どもに何か一つでも故郷の習慣を伝えてあげたいと、密かに続けていることがあります。おまじないです。
具体的にどんなおまじないかというと、子どもがくしゃみをしたときに「クスケェ!」と叫ぶというもの。たったこれだけです。「クスケェ」とは「クソ食らえ」の意味です。私の田舎では、いろいろな事象が「マジムン」=「魔物」の仕業と考えられています。くしゃみも、もちろん魔物の仕業です。そのため魔物に向かって「クソ食らえ!」と叫んで魔除けをするのです。地域毎に諸説あるのであくまで私の田舎での事とご理解ください。

もちろんそういったからといってくしゃみも、鼻水も止まる訳ではありません。医療従事者として、そんな非科学的なことをして。と笑われてしまいそうですが・・・。ただ、小さい頃に真面目な顔で「クスケェ」と叫んでくれた叔母を思い出し、子を思う優しいおまじないなのかなと、なんとなく続けています。
ちなみに、くしゃみの度に変な言葉を発する私を、子どもは特に気にもとめていません。いつか故郷の優しい習慣と共に母の愛が伝われば良いのですが。

このページのトップへ