私たちの仕事

トップページ > 私たちの仕事 > 災害救護活動

災害救護活動

災害医療への取り組み

災害救護活動には次のようなものがあります。

  1. 医療救護
  2. 救援物資の備蓄と配分
  3. 血液製剤の供給
  4. 義援金の受付と配分
  5. その他災害救護に必要な業務
    • 赤十字ボランティアによる災害時の情報収集、応急手当、炊き出し、安否調査、救援物資の輸送・ 配分、避難所での世話などの活動
    • 被災者等への心的支援としての『こころのケア』活動

東日本大震災の救護班活動 (看護師長 Yさん)

日本赤十字社は、医師・看護師・薬剤師・主事などのメンバーで構成される救護班を編成し、災害時の対応に備えています。広島赤十字・原爆病院も12班の救護班を編成しており、東日本大震災の際には、発災から4時間後には第1班が救護活動にむけて出動しました。私も第1班として出動しました。

今回の震災は、地震・津波による広範囲に及ぶ甚大な被害というだけでなく、福島原発の損壊による放射線汚染という未曽有の事態となりました。このことは、家屋の損傷のない状況であっても、住み慣れた土地を直ちに離れなければならない状況を招き、被災者の方々の心に更なる追い討ちをかけました。目の前にひろがる悲惨な光景、体も心も大きなダメージを受けた多くの被災者を救護することは、これまでのやり方では困難と考えられました。班長を中心として現地で得た情報を、日本赤十字社の本社や福島県支部・宮城県支部・広島県支部へ提供し、私たちが行うことができる救護活動はどのようなことがあるのかを伝え、指示を確認しながら任務を遂行しました。

4日間で2か所の診療所開設、4か所の巡回診療・物資搬送・避難所の状況把握、石巻赤十字病院内での救護活動支援と様々な活動を行いました。診療所では「持病の薬を持ち出せなかった。悪化しないだろうか」「夜が眠れない」「認知症が悪化している」などの相談が多く聞かれました。また、子供の発熱や老人の骨折と思われる症状へも対応しました。避難所の巡回診療では、体調不良の方がおられないかを聞き、必要に応じて診察や処方などを行いました。また風邪などの感染症予防のために手指消毒剤やマスクを渡しました。同時に、カイロやトイレットペーパーなどの日常生活用品を届けました。石巻赤十字病院では、トリアージや処方業務の支援を行いました。

第1班の活動が十分であったとはいえませんが、得られた多くの情報を次期出動班に提供し、被災者の方の求める支援につながるようにとの思いを託しました。

東日本大震災の救護班活動 (看護係長 Nさん)

3月11日、東日本大震災発生。私は救護班出動準備の指示を受け、地震被災の具体的な状況もよくわからない中、医療材料などの準備を行いました。18:00には第1班が出動し、私は次の出動の待機命令を受けました。

3月20日朝、広島県支部救護班第4班として広島を出発しました。出発時には休日、早朝にもかかわらず、多くの職員の方々が出発式に来てくださり、「できることをやれば大丈夫」の言葉にとても勇気づけられました。

空港と陸路で石巻に到着したのは、20:00過ぎでした。私たちは石巻専修大学の体育館に設置された救護所で香川県支部救護班と合同で活動を行いました。大学の避難所には、安否確認のための写真や張り紙が貼られ、改めて震災の被害の大きさと悲しみに胸が詰まる思いでした。

震災から10日目、到着した日に電気が復旧していましたが、断水、食料も暖房も不足している状況でした。3日間の活動中、救護所には1日に約100名の被災者が来所されました。嘔吐と下痢の症状のある中学生の息子さんを連れてこられたお母さんは、震災の翌日にやっと息子さんと会うことができたことや、救護所に来るまでの大変な状況などを話されました。息子さんは点滴をし、帰るときには、はにかんだ笑顔で話ができるようになりました。

夜の雨の中、慢性疾患による痛みで足を引きずった女性が来所されました。救護所で温まってもらい、話を聞きました。その後救護所で出会うと、「痛みが軽くなったんですよ。ありがとうね」と笑顔でお礼を言われました。

避難所の巡回診療も行いました。話を聞いたり、血圧測定を行うだけでも安心する被災者もおられ、医療チームの存在が被災者の方にとってどれほど重要なことかが伝わってきました。

出発までは不安でしたが、津波で壊滅した市街地、そして多くの被災者の方を目の前にし、とにかく無我夢中で活動したように思います。余震に目が覚め、睡眠不足、食事も限定されました(当たり前ですが・・)。出発から帰還までの5日間を頑張れたのは、まさに寝食(寝るのも男女一緒の雑魚寝です)を共にした8名のチームワークと病院の職員(応援メールは嬉しかったです)や家族の存在でした。そして心に残ったのは、被災者の方々からの言葉です。「遠い所を来てくださってありがとう」「ご苦労様です」といろいろな場所で声をかけていただきました。私自身も被災者の方々から助けていただいた救護活動でした。

こころのケア活動 (看護師長 Iさん)

突然おそってくる災害はまさに恐怖です。被災した方々は、家や財産そして家族等のかけがえのないものを失い、心が大きく傷つきます。そして、不自由な避難生活が続くことで、より一層ストレスに満ちた生活が続きます。赤十字では、国内で災害が起きたとき、いち早く現地に向かい医療救護活動を行いながら、こうした方々の『こころのケア』も行っています。被災者のそばに寄り添い話を聞いて、不安な気持ちを軽減したりストレスを緩和したりします。

平成23年3月11日におきた東日本大震災。広島赤十字・原爆病院も、宮城県石巻市に「こころのケア」のために看護師を派遣し、小学校や中学校の避難所を巡回しました。血圧をはかったり肩のマッサージなどスキンシップを図りながら、「夜は眠れているのか、困っていることはないか」など話を聞きました。私たちの想像を超える壮絶な体験をされたうえに、決して快適とはいえない避難所で、みんなで力をあわせて生活されていました。私たちはかける言葉もなく、ただそばにいて背中をさすることしかできないこともありましたが、多くの方が私たちに「話を聞いてくれてありがとう」「遠いところから来てくれてありがとう」と言ってくださいました。また、一緒にダンスを踊ったり折り紙をして遊んだときのこどもたちの笑顔は忘れられません。被災された方々から、人を思いやる温かい気持ちの大切さを学びました。